南北に長く大きな長野県は東側と西側では趣が異なる様に感じます。先月西側の奈良井宿を訪ねた時に行ってみたいなと思っていた海野宿(うんのじゅく)を先日訪ねてみました。東御市にあるこちらの宿は長野善光寺へ続く北国街道沿いに位置してます。江戸時代は行きかう旅人たちでにぎわう様が想像できますが今は眠りについたような静けさ。お店も少なく観光客に媚びない凛々しい雰囲気です。
写真は民族資料館。築150年の建物は昔宿屋として大活躍していたそうです。旅人たちは2階の相部屋に宿泊。昔ながらの農機具や養蚕に使用した部屋を見学。
表戸に格子の付いた家並みと防火用の壁としてうだつが付いているのが海野宿の町並みの特徴です。うだつには美しい意匠が施され当時の暮らしの豊かさの名残が見えます。古い宿場町を訪ねるといつも感心するのは職人さんたちの腕の良さ。時代を超えて私たちを感動させる技術に彼らの誇りを感じます。
さて、今回の旅のメインは海野宿ではなくてこちらのb民泊です。東御市にあるMaison d'hotes 農の家。
江戸時代に建築されたという究極の古民家を構造部分以外はほぼオーナーの手で改装しお宿として開放しています。
玄関の引戸を開けると内部には大きな遊びの空間が広がっています。玄関土間から上は吹き抜けで1階と2階のどちらも自由に使える贅沢なお宿。1日1組限定でゲストを迎えるコンセプトからオーナー夫妻がお宿に込めた思いが伝わります。
1階はダイニングとライブラリー、
ライブラリーの奥のコーナーはベッドルームになっています。4名まで宿泊可能とのこと。家族連れにお薦め。
築200年の建物の梁と垂木は柿渋塗りで仕上げてます。全館塗り終わるのに4年かかったとのこと。オーナー夫妻から家づくりの楽しさが伝わりますね。
吹き抜け階段を登って2階へ。
広々としたベッドルーム。
寛ぎのスペースで夕刻に蜩の声を聞きながらソファでお昼寝。至福の時です。
ステップフロアの最上階は体操とヨガのスペースと勝手に呼んでいます。ともかく広すぎて全部の空間を使えませんでした~。
1階のタイニングでお夕食が始まります。オーナー自ら畑で育てた野菜や果物を使ったお料理はどれも丁寧でフレッシュなお味。ただ美味しいという表現だけでは言葉が足りない美味しさでした。
前菜はキッシュと春菊の春巻き。生野菜サラダ。春巻きに添えられた天ぷらは人参の葉とのこと。大切に育てた野菜たちを最後まで美味しくいただく。コンセプトが人参の葉っぱに象徴されてました。
甘くクリーミーな玉ねぎの冷製フープ。
メインはビーフかポークから選べます。私はポークを。
付け合わせの野菜まで完食しました。
デザートの盛り合わせ。お腹一杯になりました。
おまけの写真。
朝食。こちらに自家製ブレッドがもりもりに登場し完食しました。朝から元気一杯で今日も一日楽しみます。
築200年の民家を改修し冬は薪ストーブで暖を取り夏は山から届く涼しい風を取り込み、大地と対話しながら自給自足に近い暮らしを実現しているオーナーご夫妻。あちこちを旅していらしたことが調度品やインテリアから伺えます。控えめで多くを語らないけれど暖かいおもてなしの心がお仕事ぶりから伝わります。冬季は休業。短い期間しかオープンしていないためなかなか予約が取れませんがお薦めのお宿をご紹介できて幸いです。
旅の楽しさのひとつは人との出会い。今回も素敵な出会いに恵まれました!
Every month, we try to make a short trip to see different places and lovely people.
It inspires us to find the idea in our life.