日本はもちろんのことイギリスでも著名な英文学者の出口保夫先生を訪ねました。昨年の晩秋にお伺いして以来半年ぶりにお目にかかりましたが相変わらずお元気で楽しいお話をたくさんしてくださいました。
学者の書斎は本の宝庫です。床から天井まで積み上げられた書籍に囲まれ19世紀のイギリスロマン派の詩人たちの研究をなさっています。
私たちのために先生自らおもてなしのテーブルを整えてくださいました。先生が書かれた紅茶の本に何度も登場するロイヤルウースター社のラヴィニアシリーズのティーセットはイギリスならではのベリー柄。長い間大切に使われてきた風格が食器に出ていますね。ミントンの花器に白いリリィも活けてくださり私たちを歓迎してくださっている気持ちがとても嬉しく伝わりました。
先生曰く、お茶もミルクもたっぷり、けちけちしないことが美味しい紅茶を入れるコツとのこと。実際、前回もブログに書きましたが先生のお茶は本当においしいのです。イギリスで飲む味を思い出します。
お茶といっしょにイチゴもたっぷりいただきました。日本でこのようなイギリス的なおもてなしをしてくださるのは出口先生だけです。大げさなことは何もしないけれど美しく豊かな典型的英国流ティーパーティです。
先生が昨年から執筆なさってきたワーズワース評伝もようやく上梓され10月頃出版されるそうです。
先生がワーズワースの生涯を書かれたデスクの上にポタリーカレンダーが何気なく置かれていました!そういえば昨年お尋ねした折にお土産でお持ちしたのでした。お使いいただき光栄です。
出口先生はオクスフォードで研究生活をなさったとき英国に魅せられ英国のことを様々な視点で書かれました。私も大学生の頃イギリスに憧れ先生のご本を沢山読んだものです。出口先生とお会いする日がくるなんて当時は思いもしなかったけれどお互い英国好きというところで良いご縁ができました。
バラ好きの先生へのお土産にポタリーガーデンのローズをお持ちしました。「美しいものは永遠に続くものです。」とおっしゃる先生の美学は詩人キースの代表作、エンディミオンに描かれた世界そのものです。
美しいものは人生を豊かにしてくれます。美しいものを見たり感じたりすることで毎日の生活が豊かになるのです。
これは先生の言葉です。
初夏の材木座のご自宅のお庭にもバラが咲いていました。
豊かな時間をありがとうございました。