皆様ご機嫌いかがですか?
楽しいイラストと易しい(優しい)語り口でとつとつと建築の奥深さを教えてくれる中村好文先生の本をお正月休みに読み返してみました。
彼は子供のころから狭いところに潜り込む帰巣本能が強く極小住宅(小屋)好きだそうです。
著書の中にはたくさんの小さな小屋のような家が登場します。 限られたスペースをいかに使い住みやすそうな空間を作るかは建築家の腕の見せ所。作品を拝見すると苦心の後がさらりと見え本当に感心いたします。
このイラストの家は夭逝した天才詩人、立原道造が婚約者と暮らすために考えた小さな家です。ヒヤシンスハウスと名付けられたこの家は実現することはなかっただけに余計にロマンティックに感じられますね。
でも(!)この家にはお風呂とキッチンがありません。昔の家なのでお風呂は別だとしてもキッチンがなくてどのように結婚生活を送ろうとしたのでしょう? 婚約者の女性、水戸部アサイさんの当惑が見えます。
実際彼女は立原道造に 「一部屋では困りませんの?」と問いかけています。
現実的に暮らしを考えるのは女性ならではですね。
極小住宅は近頃大変人気があります。
写真はアメリカ ヴァーモントのトレーラーハウス。移動可能なトレーラーハウスの内部を大改造して小さな住宅を作りました。
19m2(11.5畳)の空間にキッチン、バスルーム、LDKとベッドルームがパズルのように収まっています。
家が小さい分光熱費もかからない上、移動性のトレーラーハウスなので固定資産税もかかりません。森の小人さんの家のようですが内部は以外と広くて住みやすそうです。
必要なモノだけに囲まれて暮らす。今の暮らし方の志向を物語っているようです。
必要なモノのみならず好きなものがどんどん増えていく自分の暮らしを見直してみたくなりました。