2023年6月30日

Short trip (小さな旅)

 

最近ご近所(といっても車で3~4時間くらいの所)に小さな旅をする楽しさを覚えてしまい暇を見つけてはお出かけしています。今回も建築と自然に親しむ旅をしてまいりました。








首都圏に住んでいる小学生なら誰でも修学旅行で行く日光東照宮。私も半世紀以上前に訪れて以来の参詣となりました。今回は大人の目で建物と歴史観察。
花鳥の彫刻が美しい陽明門を通り中へ進みます。





陽明門を裏から見ると1本だけ柱が逆さまになっていることに気づきます。満つれば欠けるという諺から建物も完成と同時に崩壊が始まると考え災いを避けるためわざと柱を逆さにし未完の状態にしたと言われます。

私は建物が経年し劣化することも美しいと思うけれど徳川幕府の威信にかけて常にぴかぴかでなくてはならなかったのですね。


家康の墓所のある奥の院から下を見ると美しい瓦屋根の連なりが見渡せます。耐震重視のため屋根は軽量耐久性の高いものを現在推奨していますがやはり日本本来の屋根瓦の美しさは他では見られませんね。










赤はパワーがある色。魔除けの色として大切にされています。神社の鳥居や本殿に赤が沢山仕様されるのもうなづけます。

日光見ずして結構と言うなかれという諺がある様に権現建築の極みである建築物は本当に一見の価値があります。複雑な文様の彫刻たちは表情が明るく楽しい趣向に満ちています。これから素晴らしい時代が訪れることを世に知らしめた所以ですね。





子供時代に見た東照宮のことは全部忘れてしまったけれどこの仔たちだけは覚えていました。あれから半世紀以上経ってもここにちゃんとお座りしていました。知恵のあるお猿さんたち。数多ある彫刻の中で眠り猫と同じくらいユニークで暖かい表情です。



さて、こちらは本物のおさるさんです。東照宮から那須へ向かう途中で偶然出会った猿の親子。道路を堂々と横切り反対側の森に入っていきました。この後他のサルたちもぞろぞろ登場し珍しい光景に遭遇しました。総勢50匹くらいのお猿ファミリーが道を横切るまでずっと待っていたら最後にボスらしき猿が全員無事に移動したことを見届けてから悠々と歩き去りました。かっこよかったですよー。ボスくん。


When British writer Isabella Bird visited Nikko, she said that if you haven't been to Nikko, you can't say Kekko.  It is the same meaning of "See Naples and die."
When I saw Toshogu shrine, I agreed with her.