皆様ご機嫌いかがですか?
古いものを大切にする英国人。今日はBath(バース)にある古書を修復するファクトリーを見学させてもらいました。左の建物は元は郵便物を仕分けするための仕事場でしたが1930年以降は現在のオーナー、Bayntun社がここを引き継ぎ本の製本、修復の仕事をしています。
こちらの本たちは紙を補修したり表紙や裏表紙を新しくするためここに持ち込まれました。
1冊の本をきれいに復元してもらうのに費用は約3万円から5万円程かかるそうです。
これらは思い出のある大切な本であったり美術品として価値のあるという理由でここに連れてこられました。
この会社では常勤のスタッフ6名と非常勤を合わせて8名ほどで歴史的に重要な仕事に携わっています。
Artisan(アーティザン)と呼ばれる熟練した職人さんたちが若い人たちばかりだったことに驚きましたが同時に後世へ引き継ぐ歴史の架け橋となる人々が若いことは嬉しいことだと思いました。
古い本は紙も弱くなります。1枚ずつ丁寧にプレスをしかっちりと固めてから針と糸で結んでいきます。
汚れが紙つかないようにページの側面に銀箔を施します。
最終段階に入ると表と裏表紙の製作にかかります。皮の上に熱したこてを当てこて後に浮き出たデザインに色を落としていく作業をしています。ひとつひとつの作業が細かく丁寧に美しく流れて行きます。
こうして何人もの職人さんたちの手を枝て本は蘇りました!(写真下)
近頃書店で美しい装丁の本を見ることが少なくなった気がいたします。
ペーパーレスを目標にキンドルで本を読む機会が増え紙の本は縮小されてしまったのでしょう。
美しい言葉に触れることは人生の喜びのひとつです。装丁の美しさは言葉をより際立たせるものだと、今日のファクトリー訪問でしみじみ思いました。