富士山の裾野に広がるのどかな田園地帯に昔を再現した根場村(ネンバ) があります。
村は1966年に起こった土砂災害で壊滅状態となりましたが古い建物は再建され村全体が郷土資料館になっています。
ここでは日本の古民家の贅沢な設えを堪能できます。
こちらの家でお雛様の展示をしていると聞き中を拝見。
日本の家の基本、東西に長く南北に開口部を設けた形がそのまま残った外観です。
南側の縁側いっぱいに白い風車が飾られひな祭りらしい粋なディスプレイに感激でした。風が吹くたびカサコソと優しい音を立てて回ります。
大きな梁や柱が田の字型に区切られておりかつては襖で部屋が分けられていたことが分かりますね。
寒さ暑さをしのぐための縁側。断熱効果の高いサッシ窓の進化により縁側を残す家は少なくなりましたがこの空間が落とす影が内部に微妙な陰影を作ります。
陰影により物を立体的に美しく見える術は考えて作られたのではなく自然との共存から生まれました。日本人はこの暗がりを愛し影ができることでより美しく見せる方法を学んできました。日本の文化の奥深さが垣間見えます。
あでやかな色彩のなかでも陰影によってより深く美しく見える赤。日本古来から慣れ親しまれた色です。
雛たちもぼんやりした光のなかで生き生きと際立って見えますね。
根場村:
Nenba village was once ruined by the landslide in 1966.
Japanese traditional thatched roof houses were re-built and now working as the folk museum. We can enjoy not only houses, but also the lovely view to see Mount Fuji.