刺繍作家のお針箱。細い針がピンクッションにそっと刺さり糸を通される出番を待っています。
小さな箱の世界から美しい布に仕掛けられる見事な技法に毎日見とれております。
作家にどのように糸を刺していくのかを尋ねました。
”一枚の布から刺したい箇所の糸を抜き、空間となった箇所に糸を刺す。その繰り返しなの。”と。
控えめな答えからご自分の作品への敬意と愛情が伺えます。
美しいモノを創る方たちはただひたすら駆り立てられるような思いで作り続けるのだと聞いたことがあります。それゆえ誰に媚びることもない素直な美しい作品ができあがるのですね。
今回の作品展でひときわ目をひくのはイタリア発祥の刺繍技法、Il Reticello (レチェロ)です。
刺し方はドロンワークに似ていますがさらに細かくて優雅なレース。
何度見ても見飽きません。